月刊オールベルグ

金田一とか、色々

鬼タイムで始めよう、デュエマ

この勢いで作ったブログの超久々の更新です。

 

突然ですが自分はデュエルマスターズが大好きです。多くの荒々しいクリーチャー達でお互いの効果やパワーを押し付け合い、更にシールドによる駆け引き…と、最近はスマホ版のデュエルマスターズプレイス等の配信もあり、触れてきている方も多くなってきてるのではないでしょうか。

 

しかしこのご時世、リアルの方になると効果が複雑だったりインフレ進んでたりでついていけなさそう、紙は集めにくそう、ショップとかで他人とやるハードルが高そう、そもそも今のご時世外に出るのが難しい……

等、多くの事情があって始めにくい方が多いのではないかと思います。こういう時にデジタルTCGの強みを実感しますね。

 

 

そこで、今回はデュエルマスターズの今期から始まった新シリーズ《十王編》を用いて、オススメのデッキ構築などを踏まえつつ、少しだけでもデュエルマスターズの魅力を発信して行きたいと思います。

今回は基本的なルール説明などは省略しつつ、どのようにデッキを組んでいったらいいか?や新能力《鬼タイム》の解説を簡単な形ではありますがしていきます。

 

 

1.まずは基盤となるスタートデッキ!

現在発売されているスタートデッキ(初心者向け構築済みデッキ)は

ジョーのキリフダッシュ

鬼札の鬼タイム

の2種類となります。今回はその中から、火・闇のカードで構成される鬼札の鬼タイムの方を改造していきます。後々触れますが、キリフダッシュの方も強力な能力なのでこちらも興味があれば手にしておくのもオススメです。

 

詳しい収録内容の方はタカラトミーの公式サイト等を参照していただければ幸いですが、今回のスタートデッキ、全体的に完成度が高く、貴重なカード除去とスレイヤーを兼ねた、《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》、クリーチャー版デーモンハンドの《凶殺皇デス・ハンズ》、そして《襲来!鬼札王国》といった強力なシールドトリガーが詰め込まれてる非常に戦いやすいデッキです。

スレイヤー・ブロッカーといったギミックや、カード回収や除去の重要性などについても学べる為、これ1箱で多くの動きを把握しやすいのではないかと思われます。

 

2.新能力《鬼タイム》

今回メインとなる、鬼札王国の設定から簡単に解説しますと、

超獣世界の果ての果て、幾億光年の彼方から龍頭星雲を通じて襲来し、全世界を支配下に置くため侵略してきた軍団

という設定

  

その名の通り、鬼をモチーフにした和のテイストで描かれたクリーチャー達なので、非常に格好良い奴や妖怪じみた奴、荒々しい奴や少し可愛らしい奴など様々。とてもデュエルマスターズのクリーチャーならではの魅力を感じやすいテーマということで、今回この鬼札王国をオススメしたい理由の一つでもありました。

前置きはそこまでにして、この鬼札王国のクリーチャー達が主に持つ《鬼タイム》は、お互いのシールドの合計枚数が6枚以下であれば新たな効果を得られる、といった能力です。

このシールドの合計枚数6枚以下というのが中々に絶妙で、相手のシールドをガンガン割っていき達成条件に近づけていくといった戦い方や、逆に自分のシールドを自ら能力を用いて減らしていくことで達成条件に近づけていく、といったやり口でも達成条件を満たせます。

鬼タイムを達成した鬼札王国のクリーチャー自体のコストパフォーマンス等が優秀なのも相まって、従来の速攻系やビートダウン(クリーチャーによる攻撃を中心としたデッキ)系のデッキとは違った感覚を味わえる能力です。
また、自らシールドを手札に加えるカードが多いため、多少身を削ってでも次の戦略の手を広げていく…といった戦い方がしやすいのも長所ですね。一見躊躇しやすいこの能力も、鬼タイムに繋がる一手と考えればやりやすく、置いていくマナにも困りにくいのではないかと思われます。

攻めていくかいかないか、自らのシールドを切っていくかいかないか、一見単純に見えるこの能力が、デュエルマスターズ原点の楽しみとも言えるシールドを用いた駆け引きの楽しさをグンと高めていってくれるでしょう!それぐらい今回の鬼タイムは良い能力だと思います!

3.デッキ改造
そんな感じで突然ではありますが、この鬼タイムのデッキを基板として、過去のカードや新弾《切札x鬼札キングウォーズ》のカードも使いつつ改造していった案がこちらです。
あくまでも一例なので、これに近づけていくか、はたまた別のデッキ案を考えていくのも全然アリですので!

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www.gachalog.com

デッキレシピはガチャログさんの機能を用いて作成いたしました。

簡単なカード解説の方から。画像省略の方は申し訳ない。

 

《一撃奪取ブラッドレイン》
過去弾に収録されたカードです。コモンのカードですが、現時点だと少々集めるのは中古に頼ってしまうかも。
闇のクリーチャーのコストを下げてくれる、後述するゴウケン齋やバクロ法師等を出す際には重宝するカードです。3ターン目からバクロ法師を出せるなど、様々な動きに繋げやすい機転となる一枚です。このクリーチャー自身が殴って鬼タイムへ近づけるのもアリっちゃアリですが、殴り返しされたら確実に負けるんでなるべくキープしときたい1枚です。

虹彩奪取ブラッドギア》
スタートデッキに収録されてます!
基本的には火も対象にしたブラッドレインといった感じですが、デッキ内の多色率も考え2枚採用にいたしました。もっと思い切った人なら4枚採用にするかも。

《キズグイ変怪》
スタートデッキに収録されてます!
自らシールドを加えつつ殴っていくスピードアタッカーです。地味に手札を能動的に増やせるのも有り難く、鬼タイムを達成したら強制回収効果もなくなる為、ある程度安心しやすい1枚だと思います。ただ、後述のバクロ法師との兼ね合いもあるため、どの程度殴っていくかは考えていくところかもしれません。

《「非道」の鬼 ゴウケン齋》
キングウォーズに収録されているカードです!
スーパーレアだけあって少々集めにくいですが、是非とも鬼タイムを使う上では揃えておきたい、それぐらいの強みを持ったカードです。
そのまま持っている場を離れない能力がとても強力です。多くの除去をこれで耐えきってしまう為、場持ちも良く、また、鬼タイム時の相手のクリーチャーのタップイン能力は攻めに転じてる時・守りに転じてる時の両方で重宝するカードです!

《「貪」の鬼 バクロ法師》
キングウォーズに収録されているカードです!
こちらもベリーレアだけあって集めにくいかもしれませんが、こいつも滅法強い!
シールド2枚回収のデメリットは重いですが、その分鬼タイム時にはド派手なSA持ちTブレイカーに転じてくれます。自ら鬼タイムにグンと近づけてくれるこの1枚、ブラッドレインから綺麗に繋がるのもポイント。

《襲来!鬼札王国》
スタートデッキとキングウォーズに収録されています!
めっちゃ強いトリガーです。書いてある事に何一つ弱い事がありません。
終盤でのゴウケン齋やバクロ法師の蘇生、いざとなった時の防御札、手打ちにも無理がないコストなど、超高水準なレベルの呪文。
鬼札の特性上、全面の信用を置きにくいカードではありますが、それでも鬼タイムの特性とも噛み合っており、安心感を得られる1枚ではあると思います。

《ツルハシ童子
スタートデッキに収録されています!
いざとなった時のスレイヤーや、襲来!に繋げやすい墓地肥やし、更には強力な墓地肥やしと回収能力など、痒い所に手が届くカードです。ピンチの時には優秀なブロッカーにもなってくれるので、トリガーで引きたいところです。

《暴走の智将レッコパブロウ》
キングウォーズに収録されています!
盾1枚回収+3コスで出るWブレイカー…時代を感じるカードです。
SAでは無いためタイムラグがあるのは気がかりですが、鬼タイムのどちらの盾状況においても満たしやすいカードです。

《鬼ヶ覇王ジャオウガ》
キングウォーズに収録されています!
スタートデッキに入ってる奴とは結構違います。
最高レアではありますが、意外とお求めやすいカードです。箱1確定だしね。

最初はスタートデッキに入ってるジャオウガにするか迷いました。次のアタッカーに繋げやすいし。
ただ、キングマスターのど派手さを体感して貰いたい、クセはありますが状況をひっくり返せるだけのパワーは秘めている…など、やはりこちらのジャオウガを選びました。
鬼タイム時5コスで出せるSA持ち大型Tブレイカー…というのはやはり惹きつけられるものがあります。自軍も巻き込んでしまうため、返しは怖いですが、ゴウケン齋など身を守れるカードも存在していればゲームセットに持ち込める程のパワーも秘めているカードだと思います。

《闇鎧亜 ジャック・アルカディアス》
スタートデッキに収録されています!
カード除去やスレイヤー、トリガー持ちなど、ハイスペックな1枚です。
大型獣をスレイヤーで相打ちに持ち込める等の芸当も魅せてくれる為、様々な状況で意外な働きを見せてくれるカードではないでしょうか。
4コスなのでブラッドレインからも繋げやすいのもポイント。

《新導バット》
ジョーのキリフダッシュに収録されています!
もう片方のスタートデッキから拝借したこの1枚、折角なのでキリフダッシュも体感して貰いたいという事で入れてみました。
簡単に説明いたしますと、シールドをブレイクし、ブレイクしたクリーチャーの攻撃の終わりに、そのまま低コストで出せるのがキリフダッシュです。
こいつはSAも付いてるんで、鬼タイムへ繋ぎは勿論のこと、ダメ押しの1点としても意外な働きを魅せてくれます。
手札交換も中々優秀。鬼札王国への繋ぎなども地味にこなしてくれます。ツルハシで回収したい1枚。

《龍装者バルチュリス》
過去弾に収録されたカードです。
とはいっても、再録も最近されたんで結構手に入れやすい1枚です。

2度目の攻撃ならノーコストで出せちゃうSA。新導バットと同じく、ダメ押しの1点として重宝しやすいカードです。
ジャオウガ→ゴウケン齋→こいつだけでジャストキルにまで持ち込めるこの1枚、鬼タイムだけでなく、速攻系のデッキを使う上では持ってておいて損はないカードです。

4.基本的な戦い方
如何に早くゴウケン齋やバクロ法師にアクセスしていけるかで大分戦い方が変わっていきます。
デメリットはむしろメリットと捉え殴りに行きたいのが鬼タイムの強みとも言えますが、とはいえバクロ法師の2枚回収は中々にキツい。
一度ゴウケン齋の鬼タイムが発動してしまえばかなり有利な状況に持ち込めると思いますので、いかに早くブラッドレイン達からゴウケン齋に繋げられるかが鍵になると思われます!
キズグイでの殴りすぎも、後々に響くので注意したいところ。特に相手が積極的に殴っていくデッキの場合は、転じてトリガーにも配慮した行動が求められます。相手のデッキによって戦い方を選んでいく側面がかなり強いのが鬼タイムですので、意外と繊細なプレイングも試されます。
盾を時には減らしつつ、殴っていく緊張感。リアルで相対するからこそ味わえるデュエルマスターズの盾を使った駆け引きが特に味わえるのがこの鬼札王国のデッキだと思います。


自分が示したのはあくまで当たり障りのない一例ぐらいでしかありません。今後の強化などもチェックしつつ、自分好みの鬼タイムのデッキを作ってみてはいかがでしょうか。

 

 

金田一少年のオススメ事件簿

前回、金田一少年の事件簿がどういう感じのものか?という記事を投稿させていただいた。

 

dblface.hatenadiary.jp

そちらの記事の方で何から読んだ方がいいのか等を述べさせていただいたが、「何でもいいから面白いの読みてえ!」って人のためにも、今回は現在文庫版で出ているエピソードの中でも私的なオススメエピソードをいくらかピックアップさせて頂こうと思う。

正直、金田一少年の事件簿は絞るのも結構迷うくらいに面白いエピソードばかりなので苦心の末に絞ったチョイスでもあるのだが、ご了承の上読み進めて頂きたい。

 

 

File02 異人館村殺人事件

「友人の結婚式の為に青森の六角村に訪れた金田一達が欠損したミイラになぞらえた連続殺人に遭遇する」というお話。

前回の記事を読んで頂いた人の中には、「File1~4の事件の中で、なんでFile2だけ初心者にオススメしてないの?」と疑問に思った方もいらっしゃったかもしれない。

この事件、正直なところ2番目のエピソードにしてかなりの問題作である。

歴代屈指のグロテスクな死体描写、諸々の問題が引き起こされたトリックのあれこれ、歴代屈指にヤバい犯人、歴代屈指の死亡者数、見るからに怪しい奴、インランレズババア 

などと、ヤバい所を挙げるだけでも枚挙に暇が無い。実際、主に先に挙げた2つの問題でアニメ化もされてない事件である。

しかし、金田一ファンとしては、一度は読んで貰いたい事件がこの異人館村殺人事件なのだ。禍々しく残酷な雰囲気の中に秘められた悲しき愛情の物語、狂気と悲哀が鮮明に描かれた犯人のドラマ、その先に待ち受ける誰も報われぬ結末、果敢に犯人に立ち向かう金田一など、とにかく濃厚な事件。トリックの印象も含め、ファンの間では語り草になる事も多いエピソードだ。

 

 

File06 悲恋湖伝説殺人事件

「ひょんな事から開発予定のリゾート地、悲恋湖リゾートに招待された金田一と美雪が連続殺人鬼ジェイソンの起こす連続殺人に巻き込まれる」というお話。

 

歴代屈指のヤバい犯人(2人目)

顔を潰された死体、妙に個性的な登場人物達、とんでもない真犯人の動機と狂気、驚きのトリックと、良くも悪くもインパクトが強すぎる事件。一方で何故犯人は殺人を犯すのか、何故金田一は謎に挑むのかといった部分にも焦点が当てられた事件でもあり、ラストシーンにおける金田一の出した答えは非常にカッコいい。

少年漫画としての金田一の面白さが全面に押し出された事件。

 

 

File09 飛騨からくり屋敷殺人事件

「剣持警部の幼馴染みからの依頼によってくちなし村に向かった金田一が"首狩り武者"の起こす事件に巻き込まれる」というお話。

閉鎖的な村で起こるおどろおどろしい事件や跡継ぎ争いといった、どちらかといえば金田一耕助のほうに近いテイストのエピソード。

事件の裏に隠された愛憎は壮絶の一言。印象的なトリックや真相もあって、人気の高い事件である。

 

 

File10 金田一少年の殺人

「殺人事件の容疑者となってしまった金田一が、警察に追われながらも仲間達の力を借りて事件の真犯人に辿り着く」というお話。

 

金田一が犯人として追われる、という衝撃的な事件。そんな極限の状況下であっても、持ち前の頭脳を駆使して警察から逃亡しながら真相を解明していく金田一の姿にはハラハラさせられる事間違いなしだ。

明智との対決、剣持達との信頼、金田一が美雪に送った粋なサプライズ…などメインキャラ達も勢揃いする豪華な事件。

 

 

File12 蝋人形城殺人事件

「バルト城という古城で開催されたミステリーナイトに参加した金田一と美雪が、蝋人形と同じように殺されていく本物の連続殺人の謎に挑む」というお話。

 

舞台が本格的なミステリーイベントだけあって、事件自体も本格的。容疑者もミステリー関係者ばかりに加えて、あの明智警視も参加するなど強者揃い。そんな中でも金田一と犯人との最後のやり取りが自分の中では特に印象的。犯罪というものの果てに待っているのは、誰も幸せにならない悲しい結末だけなのだ。

 

 

File13 怪盗紳士の殺人

「ラベンダー荘を舞台に名画を狙う怪盗・怪盗紳士と金田一との推理対決、そして殺人事件が巻き起こる」というお話。

 

一癖も二癖もあるキャラクター達によって二転三転する展開や、金田一と怪盗紳士との駆け引きが楽しめるエピソード。しかしその先に待ち受けるのは非情な結末…

全体の高い密度に対しての完成度が驚く程高く、金田一の冴え渡る推理もたっぷり楽しめる黄金期の傑作。

 

 

File15 魔術列車殺人事件

警察庁に届いた"地獄の傀儡師"を名乗る人物からの脅迫状に導かれ、列車・銀流星号と死骨ヶ原ホテルを舞台に、マジシャン達を狙った殺人事件が引き起こされる」というお話

 

正直なところ、この記事を見に来る人の半分くらいがもう犯人を知っている・読み始めた辺りで犯人が分かるのではないかという懸念がある事件。金田一に興味がある人なら、恐らく5割程度が地獄の傀儡師の正体を既に知ってしまっているのであろうではなかろうか。

日本ミステリ漫画界において一番有名な犯人である自信が十分にあるくらい、犯人の人気や重要度は高い事件。

犯人をまだ知らない人は羨ましいくらいにラッキーなので、是非とも優先してこの事件を新鮮な気持ちで楽しんで頂きたい。マジックをテーマにした鮮やかなトリックや展開はとても楽しい。たとえ犯人を知ってても楽しめる事件なので、金田一少年の事件簿を読み深めていく上では是非とも読んでいただきたい事件だ。

 

 

File23 雪影村殺人事件

「かつての友人の死を聞きつけた金田一が、数年振りに訪れた村で起こった仲間達の死の謎に挑む」というお話。

 

とにかく切なく、淡い物語。金田一といえば残酷だったり怪人が出るという印象が強いだろうが、この事件に関してはそれらの要素がかなり控えられている。

容疑者が全て金田一の友人であり、その事件に金田一ただ一人で挑むという異色作。郷愁的な雰囲気に溢れた舞台で描かれるかつての友人との再会。そして時の流れとすれ違いが生んだ悲劇。人間模様を描いた、未だ色あせることのない名作だ。

 

 

File25 露西亜人形殺人事件

 「人気ミステリー作家の遺産相続ゲームに参加することになった金田一達が、そこで巻き起こる連続殺人に宿敵"地獄の傀儡師"も交え挑む」というお話。

 

第1期シリーズも終盤に差し掛かった辺りの大事件。遺産相続を巡った容疑者達による推理バトル、宿敵"地獄の傀儡師"との推理バトルや濃いゲストキャラにインパクトのある犯人などとにかく盛り上がる要素が目白押し。解答編へのどんでん返しは必見。そして事件の先に待ち受けるのは更なる悪意であった…

 

 

File29 獄門塾殺人事件

「宿敵"地獄の傀儡師"によって手がけられた学習塾で起こる連続殺人に、金田一明智警視がタッグを組んで挑む」というお話。

 

地獄の傀儡師の手によって動かされる事件に、明智との共同戦線で挑むというアツい布陣で描かれる第2期シリーズの目玉事件。2つの合宿所を舞台に金田一明智のダブル視点で描かれる大長編。仕掛けられたトリックも盛り沢山なので、とにかく楽しみたい方にはもってこいの事件だ。

濱さんがシコい。

 

 

小説版1 オペラ座館・新たなる殺人

「かつて金田一達が訪れ殺人劇の舞台となったオペラ座館にて、再び繰り広げられる連続殺人」というお話。

 

シリーズ最初の事件、オペラ座館殺人事件の続編。再び殺人劇の舞台となったオペラ座館で明かされる、あの事件の謎。そしてファンからの人気も高い犯人の気高さ・生き様が見所。オペラ座館を読んだら是非読んで欲しい。

 

 

小説版3 電脳山荘殺人事件

パソコン通信を通じて結成されたミステリーサークル『電脳山荘』のロッジの中でのオフ会で起こる連続殺人に、金田一と美雪が巻き込まれる」というお話。

 

不朽の名作。

パソコン通信という文化がそこまで主流ではなかった時代に、これ程までにミステリーに盛り込み、尚且つ最高に面白いというのはやはりすごい。空想とリアルの相違によって描かれる人間関係に、小説版であることを最大限に活かしたギミックなど、とにかく金田一である事抜きにしても完成度が高い。

また、犯人・被害者・容疑者、すべての心理描写も丁寧に書かれているのは小説版ならでは。金田一に触れたことがなくても、とにかく手にとって欲しい一品だ。

 

 

いかがだったであろうか。

 

やはり全然オススメしきれない。

 

首吊り学園とかタロット山荘とか天草財宝とか黒死蝶とか鬼火島とか本当はもっともっとオススメしたい事件があったのだが、そこら辺は自分達の手でタイトルなりで気になった事件に手を付けてみたりして頂きたい。悲恋湖と異人館ホテルと首吊り学園は出来るだけ早めに読んでおいた方がお得

長編だけでなく、短編集なんかに手を出してみるのも十分アリ。一度手を伸ばしたらやみつきになる金田一ワールドに是非浸かってみよう。

金田一少年の事件簿を読んでみよう!

金田一少年の事件簿

 

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名前だけなら聞いた事ある!という人が多い作品であろう。

 

恐らく多くの人は推理漫画といえば?と聞かれたらコナン君の次に思い浮かべ、また多くの人は堂本剛を思い浮かべ、また多くの人は松野大紀の声をなんとなく思い浮かべるであろう。(今の世代だと山田涼介くんだったりも思い浮かべるかもしれない。)

 

しかし、金田一少年の事件簿を一体どれだけの人が読んだことがあるのか?

みんななんとなくグロい・クズが死ぬ・明らかに怪しいのが出てくるって印象しかないのではないか?

なんとなく題名からして複雑そう、本格的そうって印象があるのではないか?

 

そんな読んでない人にも、はたまた少し・途中までしか覚えてない・読んでないよって人の為にも僭越ながら金田一少年の事件簿の魅力を伝えたいと思います。

 

 

そもそも金田一少年の事件簿って?

 『金田一少年の事件簿』とは、原作:金成陽三郎天樹征丸キバヤシという名称のほうが伝えやすいだろうか)、作画:さとうふみやを原作とする漫画作品である。 

週刊少年マガジンにて1992年より連載され、現在ではイブニングにて20年後の世界を描いた『金田一37歳の事件簿』が連載中であるこのシリーズ、ストーリーの構成は実にシンプル。

 

名探偵の孫である金田一一が、怪人を名乗る犯人の起こすあらゆる難事件に遭遇し、持ち前の推理力と発想によって、事件を解決し真相に辿り着く。

 

たったこれだけである。

基本各長編がオムニバス形式で書かれたストーリーは、特定のエピソードを除いて、物語を通しての謎といった縦軸となる要素があまり存在せず、どの事件から読み始めても楽しむことが出来るという非常に入りやすい特性を持っている。

物語を構成する主要キャラも

金田一一七瀬美雪、剣持警部、(たまに)明智警視、(たまに)高遠遙一

であり、これに容疑者やゲストキャラを加えたのが大体のお話の人物構成。(いつきさんとか速水玲香とか佐木とかいった準レギュラーもいるが、そこまで把握しておく必要もない)

明智と高遠の登場頻度を考えると、実質的には主人公の金田一、ヒロインの美雪、警察の剣持の3キャラクターが主軸の構成と言ってもいい。このメインキャラ5人(3人)を把握しておけば、金田一少年の事件簿を読み始める上での準備は殆ど出来たといっても過言ではないだろう。

 

登場人物

 

金田一 一(きんだいち はじめ)

永遠の不動高校2年生。普段はどこか冴えない普通の高校生だが、その正体は名探偵・金田一耕助を祖父に持つIQ180の天才児。ジッチャン譲りの推理力によってどんな事件も解決に導く名探偵である。

探偵とはいうものの、悪知恵と推理力以外にはこれといった取り柄が存在しない普通の少年。そんな彼だからこそ、たとえ犯人であっても悲しみを分かち合い、感情を突き動かすのがこの物語の魅力といってもいいだろう。

実は未成年で飲酒やタバコなんかも嗜んだり、毒キノコを盛るなど時々シャレにならんこともやらかすが、それは昔の話…

 

七瀬 美雪(ななせ みゆき)

金田一の幼馴染み兼同級生の正ヒロイン。

成績優秀・(基本)お淑やかな性格・ミステリー研究会部長、演劇部員、生徒会長を兼任と、金田一とは対照的なハイスペックヒロインであるが、そんな彼女と金田一のコンビは最強と言っても過言ではない。的確なサポートによって金田一の推理を毎回支えてくれる、金田一にとってなくてはならない存在なのだ。

美雪たんマジ天使

 

剣持 勇(けんもち いさむ)

肉体派の警視庁警部であり、金田一の最大の理解者。堂本剛のドラマ版を見ていた人達には有能なイメージがあるかもしれないが、原作ではパッとしない推理力の持ち主。それでも熱い義理人情に溢れるオッサンであり、積極的に金田一を助けてくれる剣持がいるからこそ金田一は最高のコンディションで推理に望める。彼もまた金田一にはなくてはならない存在なのだ。

 

明智 健悟(あけち けんご)
警視庁の警視であり剣持の上司。
金田一にも劣らないレベルの推理力を持ち、テニスも乗馬もバイオリンもフェンシングもハッキングも飛行機の操縦も何でも最強レベルに出来てしまうすげー奴。
初登場の「雪夜叉伝説殺人事件」ではそれはもう嫌な奴であったが、金田一と出会った事によってクールながらも優しさに溢れた性格に変化していく。

金田一とはお互いライバル視しつつ、何だかんだ良い関係であり、剣持同様頼もしい協力者である。
短編シリーズで彼を主役としたストーリーが展開されることも多い。

 

高遠 遙一(たかとお よういち)

ある事件を境に、ごくたまに事件に、そして金田一に絡んでくるマジシャン兼犯罪コーディネーター。時には巧みな変装によって意外な形で事件に溶け込み、時にはやる気のあるか疑わしい変装によって露骨に事件に紛れ込む、たまに影で犯人を操る存在。

他人の復讐に力を貸し、「芸術犯罪」を演出しようとする愉快犯であり、失敗した犯人は始末する冷酷さも併せ持つ。事件を作り出すことに快感を覚える、金田一とは決して交わらぬ平行線の存在であり、この作品における数少ない縦軸の要素である。

ぶっちゃけると魔術列車殺人事件が初登場。

 

どこから読めばいいの?

金田一少年の事件簿は全27巻のFileシリーズ、全7作のCaseシリーズ、全8作の第2期シリーズ、全5巻の20周年シリーズ、全14巻のRシリーズに分けられる。

もし中古本を買うなり漫画喫茶などで置いてある環境にあれば、Fileシリーズの1巻から順に読むのが一番好ましいのだが、個人的にオススメしたいのは文庫版のシリーズ。

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基本となるシリーズであるFileシリーズのコミック版はエピソードが連続して展開されるため、途中から読みにくい・揃えにくいといった欠点が存在していた。

しかし文庫版は1巻ごとに事件が完結しているため、気になる事件からつまんで読んでみるといった揃え方が出来る。基本オムニバス形式の金田一少年には適した形式で展開していくのである。

現在File~第2期までの事件が文庫化されているが、その中でも金田一を初めて読んでみるという人にオススメしたいのが

・File1 オペラ座館殺人事件

・File3 雪夜叉伝説殺人事件

・File4 学園七不思議殺人事件

の3つ。

最初の事件であるオペラ座館は、剣持との出会いや後に展開していくオペラ座館シリーズにも繋がる重要なエピソード。

雪夜叉伝説は明智警視・速水玲香といった後々まで出てくるキャラの初登場、豪快なトリックといった見所が詰まっている。

そして学園七不思議殺人事件、ドラマでもアニメシリーズにおいても最初のエピソードとして放映された話であるが、それだけあってか「恐ろしい怪人に推理で立ち向かう高校生金田一」という金田一の根幹のフォーマットが実に整って出来た秀作である。推理の難易度も易しめなので、是非とも入門編に読んでいただきたい。

 

原作ばかり紹介してきたが、「オペラ座館・新たなる殺人」「電脳山荘殺人事件」といったノベルスシリーズも非常にオススメしたい。

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原作を少し読んでからの方がキャラのイメージはしやすいが、推理小説に慣れた方なら小説版であるこちらから入ってみるのもいいと思う。こちらも文庫版で出ており、どれも本編と変わらぬ雰囲気やフォーマットで構成された非常に読みやすく、完成度の高い事件が目白押しだ。

 

長々と説明したが、短編集といった読みやすいシリーズも文庫化されているので、各自気になった事件から入っていくのが一番いいだろう。

(ただ、魔術列車殺人事件と悲恋湖伝説殺人事件は少し早めに読んでおいた方がいいかも…?)

 

結局金田一の魅力って?

金田一少年の事件簿の魅力というのはひとえに説明しずらい。金田一はコナン君のように特別な道具も持ってないし、推理だけでなく格好良いアクションも見せてくれるわけでもない。黒の組織のような巨悪に物語を通して立ち向かっていくわけでもない。(高遠?あいつ一人だし…)

金田一一はたとえ偉大なジッチャンを持っていても、ただの高校生なのだ。

そしてそんな金田一が常に立ち向かうのは、怪人という皮を被っていようが同じ人間、犯人ただ一人なのだ。

 

金田一と対峙する犯人は、みな計り知れぬ悲しみ・怒り・衝動・使命に突き動かされた人間ばかりであり、誰もが己の中の怪人に突き動かされ、殺人という許されない行為に手を染めてしまう。

殺人とは無縁の筈だった普通の人が、なぜ殺人鬼になってしまうのか。金田一ではそれが何話もかけた事件を通して鮮烈に描かれていく。金田一とそう年の変わらない少年少女が殺人を犯す時だってある。

正義感の強い金田一は当然犯人のやったことを許せないし、激しい怒りを燃やすこともある。しかし金田一という一人の少年は、許せない筈の犯人の思いに時に共に悲しみ、時に諭し、時に激しく説得する。犯行後の犯人に面会に行くことだって少なくはない。

彼は最後まで犯人という一人の人間に寄り添うのだ。

 

そして彼はどんな状況になっても、己の頭脳を信じ、果敢に謎に挑み続ける。

悲恋湖伝説殺人事件というエピソードのラスト、金田一と美雪は「2人とも死にいく状況の中、どちらか一人が助かるとしたら」という話をする。その時金田一が迷わず出した結論はこうであった。

「俺だったら・・・考えるだろうな。二人とも助かる方法をさ!」

彼は決して考えることをやめない。最後まで諦めずに、目の前のものに立ち向かっていく。そんな彼の泥臭さにどうしても自分は惹きつけられてしまうのだ。

 

そうした犯人や金田一というキャラだけではなく、単純ながら他にも魅力は沢山存在する。

普通に推理をしていくのもいいし、犯人の動機を予想していくのも毎回の楽しみだ。そうした先に待ち構えるトリック・真相に驚愕するもよし、予想を的中させるもよし、「お前それは流石に無理あるだろ!」ってツッコむのもよしだ。

毎回登場するクセのあるゲストキャラを楽しむのもいいだろう。顔の良いイケメンイケおじや可愛い女性キャラが次々と登場していく。準レギュラーや特別な場合でない限り、基本再登場はしないので、気に入ったキャラが出たら噛みしめるようにそのエピソードを堪能しよう。僕の推しは獄門塾殺人事件の濱さんです。

また、金田一は割と推理しやすい。連続殺人だから難しいんじゃね?って思う人もいるかもしれないが、金田一が色んな証拠に気付いたりヒントを出してくれるため、彼の言動を追っていれば、あとは少しの発想力と推理力で、素人であっても犯人が誰かやトリックに気付いたり出来ることも少なくはない。名台詞の「ジッチャンの名にかけて!」は問題編終了、「謎は全て解けた!」はそれまでの描写で犯人もトリックも特定できる合図と受け取ってもらっていい。

こうした「読者にも推理を楽しんでもらう」ことをモットーにしている金田一は、ミステリの入門編・入り口としての側面も持つ。金田一で推理脳を鍛えた後は本格派ミステリーを楽しんでみる、なんてのもいいだろう。

 

最後に

正直自分の文章力じゃ魅力を伝えきれません。

どのエピソードもどんな受けとめ方をするか人それぞれだと思うし、一人一人で好きな事件が違ってくるのが金田一少年の事件簿という作品だと思います。原作ばかり述べてきましたが、アニメやドラマから入っても全然良いですし各人お好みの方法で金田一ワールドに入っていくのが一番いいと思います。最近abemaで配信やってるしね。

一度手を出したらドンドンハマっていく金田一少年の事件簿、まだ手を出してない方は思い切ってどれか一事件でも読んでみて、まだ最近のとか読んでないよって方は未読の事件を読んでみるってのもいいのではないでしょうか。

 

そしてあわよくばゲストキャラのファンアート増えてくれ!!!!